ハワイを目指し、島を追われるなんてことにならないように

気付きとヒント

今回はちと思うところありまして、少々真面目な内容をお伝えしたいと思います。

先日、『林修の初耳学』という番組が目にとまりました。

番組内容が『現代最強マーケター森岡毅・結果はその人の強みからしか出てこない』と題して。

『最強マーケター』なんてワードが映ったら、そら気になるじゃないですか?

で、ほうほうと観ていると、なるほど面白い、考え方カッコいい!すごい戦略家!

まだTverでは観れるかも https://tver.jp/corner/f0088946

あ、この人があの『USJ』をV字回復させた仕掛け人だったんだ?

ん?現在は株式会社『刀』のCEO?

あれ?『刀』といえば、この先沖縄北部に計画されているテーマパークの仕掛け会社だったよな?

と思った矢先、番組内でも話題がその沖縄テーマパーク構想に移った。

ここにてちょいと個人的には聞き捨てならん!言葉がいくつか飛び出しハートに火が付いてしまった。

そりゃテーマパーク規模ともなれば構想そのものに賛否両論あるだろうし、沖縄の経済水準が上がるのであれば多少住民側が折れないといけんところもあると思いもする。

しかし、テレビから聞こえてきた言葉に、我々ウチナーンチュがしっかり考えて行動しないと、この先とんでもねーことになるかもよ?と思ったのだ。

ま、テレビなので、森岡氏の本意として表現できなかった部分も多いにあったんだろうとも思うけど。

まず森岡氏は、

今やハワイが世界観光の宝石となり、アメリカ国の税収の大くを支えているということを前提にこう述べた。

日本国の将来のために、沖縄をハワイのような観光の宝石にしたい』

『北部のテーマパークを起点に、世界中から投資が集まる島となっていけるきっかけを作りたい』と。

この言葉には違和感を覚えた。

『日本国の将来のために』沖縄がこれ以上の観光アイランドとならなければならないのか。

この小さな島に、世界中からの莫大な投資資本が入ることで日本の景気を左右することはあり得るかもしれない、しかしそこに対し生じるであろう代償のことまでも考えてくれているのだろうか。

確かに沖縄はハワイに追いつけ追い越せでやってきた。ようやく観光客数ではハワイを超えた年もあり、今後の課題は宿泊日数の増加、現地消費額の倍増というところに移ってきた。

しかしそれに伴う深刻な課題も抱え始めている。あの手この手で誘客数だけを一気に押し上げた結果、受け側のキャパシティが耐えきれずにオーバーツーリズム化し、沖縄観光最大の魅力であるはずの『人』、『歴史文化』というソフトパワーが崩れかけている。

この先もツーリズムファーストで、果たして沖縄ソフト面の魅力は保てるのだろうか。追い付けているとは思えない環境保全や資源保全、まず先に理解してもらうことを前提とした琉球聖地の観光地化なども並行して行っていけるのだろうか。

地元の雇用創出を促すという大義で県外企業は進出してくるのだろうが、そのうち『ウチナーンチュはのんびりしてて使いものにならん!雇用は仕事の出来る県外人で!』とはならないだろうか。

かと言ってウチナーンチュの気質自体を変えてしまうまでの企業誘致が本当に望まれることなのだろうか。

ウチナーンチュを震撼させたあのオリオン買収劇は、オリオンが持つ嵐山(テーマパーク予定地)の土地が最大の目当てだったとも囁かれている。そっちが成功したらオリオンもポイッてならないだろうね?

結果としてハワイは現在、アメリカ国内でも最も物価の高い州の一つになっている。

本末転倒とは正にこのことで、島が裕福になればなるほど、島が観光の宝石化すればするほど投資に溢れ物価が上がり、地元の人達が泣く泣く土地を売り島をあとにする現実となっている。

沖縄はどうか? ハワイの二の舞にならないと言えるだろうか? そこまで真剣に考えているか!?

むしろ、厄介なウチナーンチュを宝石島から追い出すための『最適なシナリオ』にはなりえないだろうか?

石垣島、宮古島の現実はどうか? 近年一気に新石垣空港が出来、伊良部大橋が架かり、莫大な国家的プロモーションを行ったことで急激すぎる観光入域数、企業進出が起こりスーパーインフレで東京同等値まで家賃が高騰してるという。

地元の人達が賃貸に入居出来ない、建築費や土地代も高騰し家を建てることもままならなくなっていると聞く。深刻な治安問題となった半グレ組織事件も記憶に新しいところだ。

島民の収入はそれなりに上がったのか?島々の人々が望んでいた未来となっているのか?

これはやがて来る沖縄本島における深刻な格差問題の序章とも取れないか?

そもそも森岡氏の言葉が『日本国の未来の救いが沖縄にある』という表現ででもあれば、少しは共感もできたであろうし、おそらく本人もそういう意味で伝えたかったんだとは思う、そう思いたい。

テーマパーク構想だって、個人的には完全に反対な立ち場ではない。やり方次第では沖縄を良い方向に変えていける希望になり得るとも思う。ウチナーンチュもそれを強かに利用するくらいの気概を持つようにならなければいけないと思う。

なんであればテーマパーク企業事業体とは別に、『刀』の本社を名護や今帰仁に移し巨額な法人税を地元に収めてくれるなどの漢気を見せてくれたりすれば、ウチナーンチュの心も大きく動くだろう。

また地元でその新進気鋭なマーケティング塾などを開いてもらえれば、ウチナーンチュの中に眠る商売魂を揺さぶるのかもしれない。

しかし間違いのない事実として、沖縄のことを知れば知るほど学べば学ぶほど、沖縄がこれまでいかに都合よく利用されてきたか、今でも利用され続けているのかも分かってくるのだ。

そこもしっかりと理解してほしい。

そして悲しいかな最大の問題は、我々ウチナーンチュがこの現実に気付かなければ、引き続き誰かの思惑通りに操り続けられる。利用され続け、絞られるだけ絞り取られ、気付いた時にはもぬけの殻だ。

本当に島んちゅから島自体が合法的に強奪される日がくるかもしれない。

したたかさを取り戻そうウチナーンチュ!ヒヤミカセウチナーンチュ!

表向きはグータラでもいい、低脳と見下すならそう見られてもいい、

ただ、ハートは燃やし続けよう、ここぞという時のために自分の成長だけは止めるな!

それがロックだ!ロックンロールだ!島んちゅスピリッツだ!

ワワワワワケンロー!!


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E.KEMURA

E.KEMURA

沖縄県内で、外国人向けのフリーペーパー Japan Update の運営を経て、現在は沖縄英字ウェブマガジン Okinawanderer の発行、国際交流プログラム開催、および外国人向けライフスタイルサイト Okistyle を運営する(株)琉球プレスの代表。日々外国人と民間業者との接点を作り出すコーディネーター、コンサルタントとしても絶賛驀進中! 2018年より毎週火曜日午後7時台エフエム沖縄『Share TIME』にボス・イケムラとしても沖縄の隠れた魅力を発信中!
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