Invisible RYUKYU 第169回目は『奥武山に隠れた離れ島跡とマジムンストーリー』

Wandering Okinawa!

メダカの兄弟は〜池乃めだか(´▽`)

大きくなったらコイになる〜大きくなったらクジラに〜♪

ということで、今回は『クジラ』がキーワードとなる奥武山インビジブルをお届けしました〜!

奥武山というと、運動公園というイメージ、または護国神社とか沖宮という神社的なイメージが強いかなと思う。

ただ、一つあまり気付かれていないことかなと思うんだけど、奥武山は昔、離れ小島だったんだよね。

早速だけど、離島のことは英語で “Remote Island” とか “Isolated Island” とかって言う。ただ、Isolated は、切り離されたとか、隔てられたとかっていう意味合いが強いので、どちらかというと孤島みたいなイメージ。沖縄のように離島がたくさんある場合はRemote Islands の方がしっくりくるはず。

で、奥武山ね。那覇から小禄向けに入ってくると、龍の欄干がカッコいい明治橋を渡って奥武山に入るから、なんとなく海の上を通ってるのかなというのは分かると思う。でも、その先の今セルラースタジアムがあるあたりが元々海で、そこにもう一本橋が架かって対岸まで渡っていたというのはあまり知らないよね。

そこ一面を埋め立てて、現在垣花側とは陸続きとなっているわけだ。

反対側の古波蔵にかけても結構な面積埋め立ててるんだけどね。

で、奥武山の周りが、かつて海というか入江だった名残として分かりやすい一つが

落平(ウティンダ)

『落平』と呼ばれる、垣花の海に面した崖から湧き出ていた湧き水!

当時、垣花の対岸にあった一大商業エリア那覇は浮島という離れ島で、湧き水があったとしても塩気が多くて飲むには適さなかったらしい。そこでここ垣花のウティンダに船を接岸させて水を汲み、それを那覇の人たちに売りに行っていたらしい。我先にと順番を巡って争いが絶えなかったらしいね。ボーッとしてんじゃねーよ、ボーッと!船だけにってか!?

その落平、今でもセルラースタジアムから道を挟んだ向かいあたりにあり、一角だけこんもりとした山みたいな場所の岩壁から水が湧き出ている。

現在は昔のような水量は無いようだけど、今だ湧き続けているのには感動するね。そしてその崖跡こそが、ここが昔は海だったということを改めて感じさせてくれる。

水量が減った理由ってのは、やはり近代の開発開発によって水脈に変化が生じてしまったからだと思うけど、その落平をしっかりと保存しようという動きから、落平目の前の大きな住宅公社の一角に、人口ものではあるんだけどその湧き水を引っ張ってる樋、井戸がある。

かなり見落としがちだけど、これも案外インビジブルかな〜と思うんで、探してみてほしい♪

それから、もう一つ奥武山が昔離れ島だったことを物語る不思議な場所がすぐ近くにある。

海に浮かぶマジムン

今度はゆいレールの奥武山公園駅がある道路沿い、そこにコンビニとか居酒屋とかカラオケとかが並んでる一角がある。

その建物の並びの後ろに、かなり不自然な感じで緑が生い茂る小山が存在します。

実はこの小山も昔は離れ島だったわけ。

山の名前が『ガーナー森』ロッテのチョコじゃないよ。

この島の呼び名はいくつかあって、水鳥『ガーナー』が集まってくる森だから『ガーナー森』、島の形から『たんこぶ』を意味する『ガーナー』、クジラの形に似てるから『クジラ山』などとも呼ばれる。

で、このガーナー森は昔、それ自体が巨大マジムンだったという昔話がある。

自由に動き回っては頻繁に人々を襲って村を荒らし、田畑も荒らす手の付けられないマジムンだったと。特に真玉橋あたりがひどい被害を食らっていたと。

近くで見たらホントに動き出しそうな感じすらある。

そこで村人は天の神に頼み、どうにかこのマジムンを退治してほしいと。

すると願いが聞き入れられて、神は天から3つの巨大岩を投げつけて、それがマジムンの尻尾に命中し動けなくなってしまい、固まって山となったと。それがガーナー森。

昔の写真を見ると尻尾に3つの岩が刺さっているようにも見える。

ホントに住宅地の中に急にドドンと現れて、かなり異様な存在感を示している。やっぱり海に浮かぶ島だったんだな〜というのを実感する。

で、このガーナー森、実は山の上まで登ることができて、頂上にはまた御嶽があったりもするんだけど、

この登っていく登山道が、ホントに生き物、まさにクジラの背骨を登っていくような感覚なわけ。クジラの背中なんか登ったことないけど、でも、あーこういう感じなんだろうなって。

で、こんな住宅地の中にあって今も開発されないのは、やっぱ神聖な場所として崇められているからなのかなと思うよね。確かにそれもあると思う。

ただもう一つ、この山に生えている『ナハキハギ』という木が、沖縄を生息の北限とする珍しい木で、その貴重な生態系を保つためにもこの山を残しているという部分もあるらしい。

ちなみに、ナハキハギのナハは那覇のナハなんだって。

で、豊見城の真玉橋の橋近くには、イリヌシーサーという古いシーサーが今でも何かに向かって鋭い睨みを利かせているんだけど、実は、このガーナー森を向いて眼を光らせている。

そう、マジムンガーナー森からの被害が納まった後、このマジムンが再び動き出さないよう見張らせるために鎮座させたシーサーなのだ。

そして最後に、ガーナ森近くには小禄高校があって、高校すぐそばの国場川沿いに大きな動物を形取った公園がありますよね。とよみ大橋から見える青い大きな動物!

そうです!クジラ!通称クジラ公園!

あのクジラは、ガーナー森、別名クジラ山をモチーフにして作られた公園だったというわけなんです♪

となると、悪さをする昔話もありはするけど、その山が昔から人々にとっていかに親しまれてきたかが分かるわけだよね〜。

ということで、今回は奥武山自体の話ではなかったけど、それはまた次回お楽しみに!

あゆみさんが次週から産休に入るということで、どういう流れになるか分かりませんが、Keep on ワケンロー!! あゆみさん、元気なベイビーを!

ワワワワケンロー!!


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E.KEMURA

E.KEMURA

沖縄県内で、外国人向けのフリーペーパー Japan Update の運営を経て、現在は沖縄英字ウェブマガジン Okinawanderer の発行、国際交流プログラム開催、および外国人向けライフスタイルサイト Okistyle を運営する(株)琉球プレスの代表。日々外国人と民間業者との接点を作り出すコーディネーター、コンサルタントとしても絶賛驀進中! 2018年より毎週火曜日午後7時台エフエム沖縄『Share TIME』にボス・イケムラとしても沖縄の隠れた魅力を発信中!
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