琉球空手三系統それぞれの中興の祖をリサーチするとまた面白い。
那覇手の中興の祖は『東恩納寛量』で、その高弟『宮城長順』とともに那覇(浮島)の生まれ。
宮城が剛柔流の開祖であり、あの『ベストキッド(実は洋題はKarate Kid)』の『ミヤギ先生』は宮城長順の教え子『渡口政吉』がモデル。『宮城』という設定は渡口先生の師匠・宮城長順をオマージュして創り上げられたようだ。
というのも、ベストキッドの脚本家『ロバート・ケイメン』は実際に渡口先生を師と仰ぎ空手の稽古も受け、先生から空手とは何たるやというものを一から学んだという。
また渡口先生こそが、あのダニエルの鶴の舞のような技「白鶴の型」を実際に創り出した方だという。
さらに面白いのが、ダニエルとミヤギ先生が巻いている鉢巻の図柄。
これ、広げると花の模様なんだけど、なんとも武氏の家紋とも似ている気がする!
武氏とは、首里手の中興の祖『松村宗棍』の系統なのだ!
泊手の中興の祖は泊生まれの松茂良興作で、後に松林流が誕生。
困窮する村人を放っておけない仁義に堅いサムレーで、横暴な薩摩役人を懲らしめ、一時期身を隠すために嘉津宇岳でも過ごしたという。
村人から絶大な人気を誇る武人だ。
首里手は上記でも伝えた『松村宗棍』、首里山川の出身。
その師とされる唐手佐久川寛賀もやはり首里鳥堀の出身である。
松村宗棍は国王のボディーガードを務めるほどの武人で、暴れ牛とも戦い牛に戦意喪失させたという逸話を残す。
ここで面白いのが、泊手の松茂良興作(雍氏)、首里手の松村宗棍(武氏)はともに第一尚氏の流れの家系ということだ。
クーデターを伴い第二尚氏となり、第一尚氏は完全に壊滅されたかと思いきや、思わぬところで再起し大活躍を果たす血族がいたのだ。
そう、琉球空手と第一尚氏は、実はものすごく深い関わりを持っているということなのである。
(ちなみに上地流に関しては例外特殊なのでまた別枠で)
E.KEMURA
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